改正障害者差別解消法について 令和5年11月 内閣府 政策統括官(政策調整担当)付 障害者施策担当 p1 共生社会の実現に向けて 我が国では、障害のある人もない人も、互いにその人らしさを認め合い、共に生きる社会(共生社会)を目指しています。 <社会モデル> 障害の社会モデルとは、障害のある人が日常生活等で受ける様々な制限は、社会の側に様々な障壁(バリア)があることによって生じるものという考え方 ・階段しかないので、2階には上がれない→「障害」がある ・エレベーターがあれば、2階へ上がれる→「障害」がなくなった ・車椅子の方は何も変わっていない ・変わったのは、あくまでも周囲の環境 「社会モデル」の考え方に基づけば、「階段」という障壁(バリア)があることで車椅子の方に「障害」が生じていることになる <障害者差別解消法> 不当な差別的取り扱いの禁止、合理的配慮の提供→障害のある人の活動や社会への参加を制限している様々な障壁(バリア)を取り除くことで、障害のある人もない人も分けへだてなく活動できる「共生社会」の実現へ! p2 障害者差別解消法の対象 <分野> ○教育、医療、福祉、公共交通等、日常生活及び社会生活に係る分野が広く対象となる ※雇用の分野については、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)の定めるところによる <障害者> ○身体障害、知的障害、精神障害(発達障害や高次脳機能障害のある人も含む)、その他心身の機能の障害(難病等に起因する障害も含む)がある者であって、障害や社会的障壁によって、継続的に日常生活や社会生活に相当な制限を受けているもの ※障害者手帳を持っている人に限らない <事業者> ○商業その他の事業を行う企業や団体等であり、同種の行為を反復継続する意思をもって行うもの ○目的の営利・非営利、個人・法人の別を問わない(個人事業主やボランティア活動をするグループなども含まれる) ○対面やオンラインなどサービス等の提供形態の別も問わない p3 「不当な差別的取扱い」とは 第8条 事業者は、その事業を行うに当たり、障害を理由として(1)、障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより(2)、障害者の権利利益を侵害してはならない。  2(略) ○障害を理由として、財・サービス、各種機会の提供を拒否したり、それらを提供するに当たって場所・時間帯等を制限したりするなど、正当な理由なく障害のない人と異なる取扱いをすることにより障害のある人を不利に扱うことを禁止。 ○車椅子、補助犬その他の支援機器等の利用や介助者の付添い等の社会的障壁を解消するための手段の利用等を理由として行われる不当な差別的取扱いも、障害を理由とする不当な差別的取扱いに該当する。 <具体例> 1 保護者や介助者がいなければ入店を断る 2 障害者向けの物件はないと言って対応しない 3 障害を理由として、障害者に対して一律に接遇の質を下げる p4 「正当な理由がある場合」とは ○障害のある人に対する障害を理由とした異なる取扱いに「正当な理由」がある場合、すなわち 1 その行為が客観的に見て正当な目的の下に行われたものであり、 2 その目的に照らしてやむを得ないと言える ものは「不当な差別的取扱い」にはならない ○「正当な理由」に相当するか否かについては、個別の事案ごとに ・障害者、事業者、第三者の権利利益 (例:安全の確保、財産の保全、事業の目的・内容・機能の維持、損害発生の防止等) から、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断する必要がある ○「正当な理由がある」場合の判断は、個別のケースごとに行うことが重要 ○「過去に同じようなことがあったから」「世間一般にはそう思われているから」といった理由で、一律に判断を行うことは、正当な理由がある場合には該当しない →障害のある人に対し、個別の事情や、どういう配慮が必要か等の確認を行うことが有効 p5 不当な差別的取扱いに該当する例 ○正当な理由がなく、不当な差別的取扱いに該当すると考えられる例としては以下のようなものが考えられる。 <正当な理由がなく、不当な差別的取扱いに該当すると考えられる例> ・障害の種類や程度、サービス提供の場面における本人や第三者の安全性などについて考慮することなく、漠然とした安全上の問題を理由に施設利用を拒否すること。 ・業務の遂行に支障がないにもかかわらず、障害者でない者とは異なる場所での対応を行うこと。 ・障害があることを理由として、障害者に対して、言葉遣いや接客の態度など一律に接遇の質を下げること。 ・障害があることを理由として、具体的場面や状況に応じた検討を行うことなく、障害者に対し一律に保護者や支援者・介助者の同伴をサービスの利用条件とすること(障害のない者には付さない条件を付すこと)。 ※上記内容はあくまでも例示であり、不当な差別的取扱いに該当するか否かについては、個別の事案ごとに判断することが必要であることに留意 p6 不当な差別的取扱いに該当しない例 ○正当な理由があり不当な差別的取扱いに該当しないと考えられる例としては以下のようなものが考えられる。 <正当な理由があるため、不当な差別的取扱いに該当しないと考えられる例> ・実習を伴う講座において、実習に必要な作業の遂行上具体的な危険の発生が見込まれる障害特性のある障害者に対し、当該実習とは別の実習を設定すること。(障害者本人の安全確保の観点) ・飲食店において、車椅子の利用者が畳敷きの個室を希望した際に、敷物を敷く等、畳を保護するための対応を行うこと。(事業者の損害発生の防止の観点) ・銀行において口座開設等の手続を行うため、預金者となる障害者本人に同行した者が代筆をしようとした際に、必要な範囲で、プライバシーに配慮しつつ、障害者本人に対し障害の状況や本人の取引意思等を確認すること。(障害者本人の財産の保全の観点) ・電動車椅子の利用者に対して、通常よりも搭乗手続や保安検査に時間を要することから、十分な研修を受けたスタッフの配置や関係者間の情報共有により所要時間の短縮を図った上で必要最小限の時間を説明するとともに、搭乗に間に合う時間に空港に来てもらうよう依頼すること。(事業の目的・内容・機能の維持の観点) ※上記内容はあくまでも例示であり、不当な差別的取扱いに該当するか否かについては、個別の事案ごとに判断することが必要。 p7 「合理的配慮の提供」とは (法改正後) 第8条(略) 2 事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合(1)において、その実施に伴う負担が過重でないとき(2)は、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去について必要かつ合理的な配慮(3)をしなければならない。(※令和6年4月1日以降の条文) <義務化によって変わること・変わらないこと> ○社会的な規範としての確立が図られることで、合理的配慮の必要性が社会全体で強く認識されるようになる。 ○障害者からの意思の表明があった場合に、事業者は、過重な負担のない範囲でどのような対応ができるかについて、真摯に検討することが求められることとなる。 ○一方で、合理的配慮の内容自体がこれまでよりも引き上げられるものではない。 →「どのようにしたら、障害のある人が、事業者が行う財・サービスや各種機会等の提供を受けるために、障害となっている社会的障壁を除去することができるか」について、個別の事案ごとに必要な対応を検討していくことが求められる。 p8 「合理的配慮の提供」とは (法改正後) 第8条(略) 2 事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合(1)において、その実施に伴う負担が過重でないとき(2)は、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去について必要かつ合理的な配慮(3)をしなければならない。 ○合理的配慮の提供は、障害者から、「社会的障壁の除去を必要としています」という意思の表明があった場合に行う。 <社会的障壁の例> 1 社会における事物 通行・利用しにくい施設、設備など 2 制度 利用しにくい制度など 3 慣行 障害のある方の存在を意識していない慣習、文化など 4 観念 障害のある方への偏見など ・<意思の表明とは> 言語(手話を含む)、点字、筆談、実物の提示、身振りサイン、触覚による意思伝達等、障害者が他人とコミュニケーションを図る際に必要な手段(通訳を介するものを含む)により伝えられる。 ※障害の特性等により本人の意思表明が困難な場合には、障害者の家族、介助者等コミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行う意思の表明も含む。 意思の表明が困難な障害者が、介助者等を伴っていない場合など、意思の表明がない場合であっても、当該障害者が社会的障壁の除去を必要としていることが明らかな場合には、法の趣旨に鑑み配慮を提案するために、建設的対話を働きかけるといった自主的な取組に努めることが望ましい。 p9 「合理的配慮の提供」とは (法改正後) 第8条(略) 2 事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合(1)において、その実施に伴う負担が過重でないとき(2)は、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去について必要かつ合理的な配慮(3)をしなければならない。 ○合理的配慮は、個々の場面で、障害のある人が、障害のない人と同等に財・サービスや各種機会等の提供を受けることができるよう、問題となっている「社会的障壁」を除去するために行う対応。 ○法律上、事業者に求められる「必要かつ合理的配慮」については、事業の目的・内容・機能に照らし、以下の3つを満たすものであることに留意が必要。 (a)必要とされる範囲で本来の業務に付随するものに限られること (b)障害者でない者との比較において同等の機会の提供を受けるためのものであること (c)事務・事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及ばないこと これらは個々の事案ごとに判断する ○さらに、合理的配慮は、障害特性・具体的場面等に加えて、性別・年齢にも配慮することに留意 p10 「合理的配慮の提供」とは (法改正後) 第8条(略) 2 事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合(1)において、その実施に伴う負担が過重でないとき(2)は、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去について必要かつ合理的な配慮(3)をしなければならない。 ○「過重な負担」の有無については、個別の事案ごとに、以下の要素等を考慮し、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要 (a)事務・事業への影響の程度(事務・事業の目的・内容・機能を損なうか否か) (b)実現可能性の程度(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約) (c)費用・負担の程度 (d)事務・事業規模 (e)財政・財務状況 これらは個々の事案・事業者ごとに異なる ・「過重な負担」に該当すると判断した場合には、丁寧にその理由を説明し、理解を得るよう努めることが望ましい。 ・さらに、その際には、建設的対話を通じて相互理解を図り、代替措置の選択も含めた対応を柔軟に検討することが求められる。 p11 「建設的対話」 とは (改定基本方針) 建設的対話に当たっては、障害者にとっての社会的障壁を除去するための必要かつ実現可能な対応案を障害者と行政機関等・事業者が共に考えていくために、双方がお互いの状況の理解に努めることが重要である。例えば、障害者本人が社会的障壁の除去のために普段講じている対策や、行政機関等や事業者が対応可能な取り組み等を対話の中で共有する等、建設的対話を通じて相互理解を深め、様々な対応策を柔軟に検討していくことが円滑な対応に資すると考えられる。 →障害者からの申し出への対応が難しい場合でも、建設的対話と相互理解を深めることで、目的に応じた代替手段をみつけることが可能となる。 <建設的対話の例> 障害者(発達障害)の保護者発言 「うちのこどもは特定の音に対する聴覚過敏があり、飛行機の音が聞こえると興奮して習い事に集中できなくなってしまうので、飛行機の音が聞こえないように、教室の窓を防音窓にしてもらうことはできますか?」 事業者(習い事教室)考え (防音窓の設置には工事も必要だし、すぐに対応することは難しいな。障害のあるお子さんが習い事に集中できるよう、他に、飛行機の音を聞こえなくするような工夫はあるだろうか?) 事業者(習い事教室)発言 「防音窓をすぐに設置することは難しいので、お子さんが習い事に集中できるよう、一緒に他の方法を考えましょう。お子さんは、普段、飛行機の音が聞こえないように、どのような対応をしているのですか?」 障害者(発達障害)の保護者発言 「家ではイヤーマフを着用することがあるのですが、習い事では音声教材等を利用することもあるので着用させていませんでした。着用の際には声掛けや手伝いが必要なので、習い事でイヤーマフを使うと先生にご迷惑ではないでしょうか。」 事業者(習い事教室)発言 「飛行機が通過する時間帯は大体決まっているので、その際には、先生がイヤーマフの着用の声掛けやお手伝いをします。また、音声教材の使用タイミングについても配慮を行うことができます。」 障害者(発達障害)の保護者発言 「わかりました。こどもにイヤーマフを持っていかせ、先生がお手伝いしてくれるからね、と言っておきます。」 p12 「合理的配慮の提供」に関する例 合理的配慮の提供義務違反に該当すると考えられる例としては以下のようなものが考えられる。 <合理的配慮の提供義務違反に該当すると考えられる例> ・試験を受ける際に、筆記が困難なためデジタル機器の使用を求める申出があった場合に、前例がないことを理由に必要な調整をせずに一律に対応を断ること。 ・イベント会場内の移動に際して支援を求める申出があった場合に、「何かあったら困る」という抽象的な理由で具体的な支援の可能性を検討せず、支援を断ること。 ・電話利用が困難な障害者から電話以外の手段により各種手続が行えるよう対応を求められた場合に、自社マニュアル上、当該手続は利用者本人による電話のみで手続可能とすることとされていることを理由として、メールや電話リレーサービスを介した電話等の代替措置を検討せずに対応を断ること。 ・自由席での開催を予定しているセミナーにおいて、弱視の障害者からスクリーンや板書等がよく見える席でのセミナー受講を希望する申出があった場合に、事前の座席確保などの対応を検討せずに「特別扱いはできない」という理由で対応を断ること。 ※上記内容はあくまでも例示であり、合理的配慮の提供義務違反に該当するか否かについては、個別の事案ごとに判断することが必要 p13 「合理的配慮の提供」に関する例 ○合理的配慮の提供義務違反に該当しないと考えられる例としては以下のようなものが考えられる。 <合理的配慮の提供義務違反に該当しないと考えられる例> ・飲食店において、食事介助等を求められた場合に、当該飲食店が当該業務を事業の一環として行っていないことから、その提供を断ること。(必要とされる範囲で本来の業務に付随するものに限られることの観点) ・抽選販売を行っている限定商品について、抽選申込みの手続を行うことが困難であることを理由に、当該商品をあらかじめ別途確保しておくよう求められた場合に、当該対応を断ること。(障害者でない者との比較において同等の機会の提供を受けるためのものであることの観点) ・オンライン講座の配信のみを行っている事業者が、オンラインでの集団受講では内容の理解が難しいことを理由に対面での個別指導を求められた場合に、当該対応はその事業の目的・内容とは異なるものであり、対面での個別指導を可能とする人的体制・設備も有していないため、当該対応を断ること。(事務・事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及ばないことの観点) ・小売店において、混雑時に視覚障害者から店員に対し、店内を付き添って買物の補助を求められた場合に、混雑時のため付添いはできないが、店員が買物リストを書き留めて商品を準備することができる旨を提案すること。(過重な負担(人的・体制上の制約)の観点) ※上記内容はあくまでも例示であり、合理的配慮の提供義務違反に該当するか否かについては、個別の事案ごとに判断することが必要 p14 「環境の整備」 第5条 行政機関等及び事業者は、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮を的確に行うため、自ら設置する施設の構造の改善及び設備の整備、関係職員に対する研修その他の必要な環境の整備に努めなければならない。 「環境の整備」の例(不特定多数の障害者が主な対象) 携帯スロープを購入する 「合理的配慮」の例(個々の場面における個々の障害者が対象) 段差があった場合、携帯スロープを架ける 「環境の整備」の例(不特定多数の障害者が主な対象) 施設をバリアフリー化する 「合理的配慮」の例(個々の場面における個々の障害者が対象) 個々の配慮をせずとも、障害者が利用可 「環境の整備」の例(不特定多数の障害者が主な対象) 社員対応マニュアル整備・研修を実施する 「合理的配慮」の例(個々の場面における個々の障害者が対象) マニュアル等に基づき、的確に合理的配慮を行う 「環境の整備」の例(不特定多数の障害者が主な対象) アクセシビリティを担保したウェブサイト等を作成する 「合理的配慮」の例(個々の場面における個々の障害者が対象) 個々の配慮をせずとも、障害者が利用可能 <留意事項> ○他の障害者等への波及効果についても考慮した環境の整備を行うことや、相談・紛争事案を事前に防止する観点から、合理的配慮の提供に関する相談対応等を契機に、内部規則やマニュアル等の改正等の環境の整備を図ることは有効 ○「環境の整備」には、職員に対する研修等のソフト面の対応も含まれる Aさんへの合理的配慮、Bさんへの合理的配慮→個々の場面での合理的配慮(過重な負担のない範囲で必要かつ合理的な配慮) 環境の整備 行政機関等、事業者による事前的改善措置→合理的配慮を的確に行うための環境の整備 p15 研修・啓発 ○共生社会を実現するためには障害を理由とする差別は解消されなければならないこと、障害を理由とする差別が、本人のみならず、その家族等にも深い影響を及ぼすこと、障害を理由とする差別の解消のための取組は、障害者のみならず、全ての国民にとっての共生社会の実現に資するものであることについての理解を深めていただくことが重要。 ○事業者においては、障害者に対して適切に対応し、また、障害者等からの相談に的確に対応するために、法令や障害に関する理解を促進することが重要。 →研修等を通じて法、基本方針、対応指針、障害特性に関する理解を促進 内閣府では、事業者の方等に参照していただくことを目的としたウェブサイトや各種資料等を作成しています。研修等の実施に当たってはぜひ御活用ください! p16 事業者における相談体制の整備 ○障害者等から相談を受けたときに対応する相談窓口を事前に決めておき、組織的な対応ができるよう備えておくことが重要 ○相談窓口の整備に当たっては、窓口の開設に加え、既存の顧客相談窓口の活用や、相談対応を行う担当者をあらかじめ定めておくといった対応が考えられる ○相談窓口の周知を図るとともに、相談受付時には、対面のほか、電話、FAX、電子メールなどによる相談も行ったり、相談者の障害特性に応じて可能な範囲で多様なコミュニケーション手段を用意して対応することが望ましい ○実際の相談事例については、相談者のプライバシーに配慮しつつ蓄積し、以後の合理的配慮の提供等に活用したり、マニュアル等の見直しに活用することも考えられる p17 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の一部を改正する法律」の施行までの対応事項(想定) ○基本方針の改定 障害者政策委員会で議論された基本方針改定案を基に基本方針を改定(令和5年3月14日閣議決定) ○事業者向け対応指針の改定 改定後の基本方針を基に、事業者の事業を所管する各主務大臣において、関係者の意見を聴いた上で、事業者向け対応指針を改定 ○国・地方公共団体における相談体制の整備 改定後の基本方針を踏まえ、各地方公共団体等において相談体制の整備等を実施 内閣府において、障害者、事業者、地方自治体等からの相談に対して法令の説明や適切な相談窓口につなぐ役割を担う相談窓口試行事業を実施(令和5・6年度事業) ○国民全体への周知啓発 障害者、事業者を含む国民全体への周知啓発 <障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行期日:令和6年4月1日> p18 参考:障害を理由とする差別の解消の推進<相談対応ケーススタディ集> ○内閣府では令和4年度調査研究事業において、有識者等による検討会での議論のもと、国や地方公共団体の相談窓口等担当者が相談対応業務を行うに当たり、障害者差別解消法や基本方針に沿った事案の分析・対応の検討を行う際の参考資料として、令和4年度に「相談対応ケーススタディ集」を作成。 ○本ケーススタディ集では、「不当な差別的取扱い」及び「合理的配慮の提供」の法定判断の検討プロセスをフロー形式で示しつつ、法の考え方等を解説。あわせて、具体的なケースを10件(いずれも架空の場面設定)用意し、各ケースをフローに沿って検討・解説を行っている。 ○相談窓口等担当者だけでなく、障害者や事業者が法の考え方の理解を深めるための参考資料としても活用可能。 【ケーススタディ集】https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/jirei/case-study.html <ケーススタディ集の構成> T.はじめに U.本ケーススタディ集の構成・活用方法 V.障害者差別解消法について ・法制定の背景・経過及び概要 ・「不当な差別的取扱い」「合理的配慮の提供」の法的判断の検討プロセス W.ケーススタディ ・「不当な差別的取扱い」ケース ・「合理的配慮の提供」ケース ・「不当な差別的取扱い」「合理的配慮の提供」複合ケース X.相談対応事例インタビュー Y.参考資料 p19 参考:障害を理由とする差別の解消の推進に関するその他の参考資料 ○障害者の差別解消に向けた理解促進ポータルサイト https://shougaisha-sabetukaishou.go.jp/ ○障害者差別解消に関する事例データベース https://jireidb.shougaisha-sabetukaishou.go.jp ・行政機関等や事業者が障害者に対して行うこととされる「合理的配慮の提供」や「不当な差別的取扱いの禁止」など、障害者差別解消法に定められている事項について解説したポータルサイトを令和4年3月に公開。令和5年5月には同サイト上で参考事例を障害種別等で検索できる「障害者差別解消に関する事例データベース」も公開。 ○合理的配慮の提供等事例 https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/jirei/example.html ・関係省庁や地方公共団体等から収集した事例等を基に障害種別や場面ごとに整理した事例集を、令和5年4月に改訂。 ○事業分野相談窓口(対応指針関係) https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai/pdf/soudan/taiou_shishin.pdf ・各主務大臣が所掌する分野及び当該分野に対応する相談窓口を整理した相談窓口一覧表を令和5年5月に公開。 p20 令和5年10月16日(月曜日)から障害者差別に関する相談窓口の試行事業「つなぐ窓口」がスタートします! 本事業の相談窓口は、障害者差別解消法に関するご相談を適切な相談機関と調整し、取り次ぎします 内閣府 <障害を理由とする差別に関する相談窓口> 相談者(障害者、事業者)→ 1 自治体・各府省庁等の相談窓口 お住まいの地域や事業を営んでいる地域の自治体、各府省庁等に直接、質問・相談が可能です。 2 「つなぐ窓口」(本事業)【New!】 障害者差別解消法に関する質問に対する回答や相談事案を適切な自治体・各府省庁等の相談窓口につなげる窓口を試行的に設置します。 2から1へ調整・取次 ※自治体からの相談も各府省庁等と調整し、取り次ぎします 1 自治体・各府省庁等の相談窓口 お住まいの地域、事業を営んでいる地域の自治体や各府省庁等が相談窓口を設置しています。 自治体・各府省庁等の相談窓口では、障害を理由とする差別に関する相談や、事案終結に向けた関係機関との調整を行っています。 2 「つなぐ窓口」(本事業) 障害者差別解消法に関する質問に回答すること及び障害を理由とする差別に関する相談を適切な自治体・各府省庁等の相談窓口に円滑につなげるための調整・取次を行うことを目的に、令和5年10月から令和7年3月まで、試行的に設置します。 <こんな方におススメ!> ・どこの相談窓口に相談すれば良いか分からない。 ・過去に相談をした際に、相談先から別の相談先を紹介されることが繰り返されて、結局相談できなかった。 ・平日は学校・仕事で今まで相談ができなかったが、まずは話を聞いてみたい。 ・障害があるので、お店に配慮やお願いしたいことがあるが、どうすれば良いか分からない。 ・障害をお持ちの方への合理的配慮の提供について、何をすれば良いか分からない。等 <事業に関するお問い合わせ> 内閣府政策統括官(政策調整担当)付 障害者施策担当 住所 郵便番号100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 中央合同庁舎8号館 電話 03-5253-2111 ファックス 03-3581-0902 ホームページ https://www8.cao.go.jp/shougai/index.html <障害を理由とする差別に関する試行相談窓口> ・試行期間 令和5年10月16日から令和7年3月下旬まで ・連絡先 電話相談 0120-262-701 10時から17時まで 週7日(祝日・年末年始除く) メール相談 info@mail.sabekai-tsunagu.go.jp その他のご連絡 sabetsu-kaisyo@nttdata-strategy.com ・調査受託事業者 株式会社NTTデータ経営研究所 ・コールセンター運営事業者 株式会社AIサポート お気軽にご相談ください! p21 <「つなぐ窓口」による相談対応の基本的な流れ> 「つなぐ窓口」で相談を受け付けた後、「つなぐ窓口」で適切な自治体・各府省庁等の相談窓口と調整を行い、事案の取次を行います。取次が済み次第、相談者へ取次先の相談窓口の情報を連絡します。 相談者が、取次を受けた自治体・各府省庁等の相談窓口に連絡を行うと、その後は自治体・各府省庁等の相談窓口が取り次がれた相談内容を踏まえて、事実確認や事案解決に向けた調整を行います。 ※本事業の「つなぐ窓口」と自治体・各府省庁等の相談窓口は連携して、障害者に対する差別の解消に向け、公正・中立な立場で、障害者・事業者双方の間に立ち、両者の相互理解や建設的対話を促しながら、事案の解決に努め、共生社会の実現を目指します。 【障害者差別解消法について】 <法の考え方> 障害者の活動を制限し、社会への参加を制約している社会的障壁(バリア)を取り除くことが重要との考え方の下、法は、障害者に対する「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の不提供」を差別と規定し、行政機関等及び事業者に対して、差別の解消に向けた具体的取組を求めています。(詳細な内容は参考情報を参照) ※令和6年4月から事業者による障害者への合理的配慮の提供が義務化されます。 <障害者差別解消法の対象> 障害者 障害者手帳をお持ちの方に限りません。社会的障壁により多くの制限を受けている全ての方が対象です。 事業者 商業その他の事業を行う企業や団体、店舗等であり、同じサービスを反復継続しているものを表します。 営利/非営利、個人/法人は問いません。 ※「事業者」に該当するもの(一例) 株式会社、社団法人、NPO、医療機関、教育機関、個人のボランティア活動等 分野 教育、医療、福祉、公共交通等、全般的に対象となります。ただし、雇用、就業関係は対象外となります。 <本事業で取り扱う個人情報について> 本事業では、障害を理由とする差別に関する相談を適切な機関に取り次ぐために、相談者の氏名や性別、お住いの地域、ご連絡先、障害の種別、差別と思われる事案の概要等を伺います。伺った情報はご本人の同意に基づき記録を行い、ご本人の同意の上で、取次先の自治体や国に提供いたします。また、個人が特定されないよう概略化した上で集計を行い、今後の障害を理由とする差別の解消に向けた施策の立案に活用いたします。個人が特定される情報が外部に公開・共有されることはございません。 個人情報は、調査受託者である NTTデータ経営研究所の監督の下、コールセンターを運営する株式会社 AIサポートにて管理を行います。 NTTデータ経営研究所:プライバシーポリシー https://www.nttdata-strategy.com/information/policy/ 参考情報 リーフレットは以下のURLからダウンロード可能です。 障害者差別に関する相談窓口の試行事業「つなぐ窓口」がスタートします! https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai_tsunagu.html 令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されます! https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai_leaflet-r05.html 内閣府 改正障害者差別解消法についてのスライドは以上です。